2018年 世界一周旅行 in モロッコ その3 メルズーガ

ご覧いただきありがとうございます。ヒロです。
 
サハラ砂漠を見るためメルズーガにやってきました。こんなにひとつの国をあちこち移動したのは初めてです。メルズーカはアルジェリア国境近く、モロッコの東外れにあります。
 
ワルザザートからメルズーガまではスプラトゥースバスで移動しました。
8時間の道中となります。
出発時間は13時、建物の中でバスを待っていると、カウンターのお兄さんに声かけられました。
「宿は予約しているの?」「いや、してない」
「砂漠のツアーに予約しているの?」「いや、してない」
「それじゃ俺がナイスプランを提供してしてやる」
彼の話ではメルズーカに到着後、ホテルに一泊、そのあとサハラ砂漠ツアーで一泊、食事付きでどうだとの事。少し考え彼にお願いする事にしました。値段は800ディルハムで、600にまけてくれと伝えると、「ウェイトワンミニット」と言ってどこかに行きます。しばらくし戻ってくるとそれで良いと言ってきました。交渉しにいってたようです。彼にお金を渡すと100ディルハムだけ受け取り、残りは現地で払ってくれと言います。
 
出発時間になりバスは出発します。アトラス山脈を横目にバスはひた走ります。山脈はかなり近くに感じるのですが、実際には50kmほど離れています。山脈が高い事と空気が澄んでいて距離を感じさせないのでしょうか。山脈とバスの間に何もない事も拍車を掛けます。
 

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走り続けるとアトラス山脈が見えなくなり、赤茶けた山、石と小さな灌木だけの荒れた大地になります。雪山が見えなくなるだけで、一気に退屈な景色に感じます。せいぜい、火星地表はこんな感じなのかと妄想するぐらい。
 
いくつもの町を通り過ぎ、日は落ち辺りは真っ暗闇になりました。一体幾つの町を通り過ぎたのか分からなくなりました。お尻が痛くてたまりません。
夜9時にようやくメルズーカに到着しました。バスを降りると人混みに囲まれました。迎えの人かと思いきや、宿の客引きのようです。既に予約していると言っても引き下がりません。宿に電話して迎えに来てもらおうかと考えたのですが、その間もしつこく話しかけてきて電話もしにくい状況です。宿まで近かったので歩いて向かうことにしますが、客引きまでついてきました。
特にしつこかったのはおじいちゃんの客引き、カタコトの日本語で「チョットマテクダサーイ」を繰り返し、別の宿やツアーを勧めてきます。そのうち、私の宿がもう閉まってるとか言い出し、
私はブチ切れます。「嘘つくな!いい加減にしてくれ!あっちいってくれ!」無視して歩き続けるとやっと諦めてくれました。
 
果たして宿は開いてました。Le petit princeという宿で、入り口にあるイラストから星の王子さまという意味のようです。この宿の主人ザイドはニコリともしませんが、彼からはとても
心遣いを感じられました。
この宿はコの字型をした建物で、中央に小さな庭がありテーブルと椅子が置かれています。
待ち時間はこのスペースで気持ちいいひと時を過ごさせてもらいました。
 

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宿に到着後シャワーを浴び就寝。次の日はツアー開始時の三時まで町をうろつきますが、本当に小さな町であまり見るところはありません。
 
時間になると、他のツアー客が集まりました。年配の家族三人、リーゼントの中国人、ドイツ人の女性二人、そして私。ラクダに乗ってサハラ砂漠に入ります。ラクダの背中は結構揺れ乗り心地は良くありませんが、文句を言うと乗せてくれているラクダに申し訳ない。でもお尻と股関節は悲鳴をあげました。
 
砂漠の景色は素晴らしいものでした。大小様々な砂の丘が広がり、表面には風が波模様を刻んでいます。陽光の中オレンジ色の砂と空の青さの対比が際立っています。
 
町から五キロ程入ったところにテントがありました。そこからは皆で手近な砂丘に登り、砂漠を堪能します。砂に触れてみるとキメが細かいパウダー状。手触りが良くずっと触っていたくなります。
 

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日が暮れ皆でテントに戻ると料理が運ばれてきました。パンと煮込んだご飯と野菜のタジン鍋。レストランで食べたものより美味しかったです。
 
食事の時は家族連れと中国人ドイツ人グループで別れて話しをしていました。
私は英語がさっぱりなので会話に入りませんでしたが、途中中国人に英語で話し掛けられました。適当な英語で旅行を続けていると伝えます。いつのまにか横の家族もこちらの話しを聞いていて落ち着かない気分になります。
根掘り葉掘り旅行の話を聞いていた中国人が言いました。
「クレイジーだ。英語も話せないのに海外旅行なんて。しかも仕事辞めてまで何でそんな事するんだ。何で?」
彼の言葉にカチンときましたが、情けない事に英語で言い返せません。「言われなくてそんな事自分自身分かってるつーの」と思いつつも、痛いところをついてきました。
彼は本気で理解出来ないといった様子で私の回答を聞きたがって、何で何でと繰り返します。
 
ストレートな彼の言い分に驚きつつも若い中国人はこんな感じなのかとも考えますが、彼は昔の中国と日本との戦争とか色々話していたので、反日的な感情もあったのかもしれません。真偽は分かりませんが。
 
私は回答を考えてみます。昔から世界旅行やってみたかったとか、英語できるようになってから出発するなんて事したら爺さんになってるとか、持病の問題でタイミングは今しかないとか色々考えましたが、多分何を言ったとしても彼は納得出来ないでしょう。そもそも英語で説明出来ません。いつも英語での会話で参加出来ない時、自分が酷く間抜けになったように感じます。
 
アーとかウーとか言っている私に辞書を使えと言ってきましたが、めんどくさくなって説明出来ないとだけ伝えます。が彼は話をやめません。
だんだんと場が変な雰囲気になり、同席していたドイツ人女性も気まずそうですが、彼は延々とこの話をしたがります。
「‥だって考えてもみろよ。仕事やめたら今までのキャリアがパーだぜ。つぎの仕事探すのだって大変だ。異業種に行ったらまたビギナーからやり直しだ。同じ業種でもまた一からやり直さなきゃならない。仕事辞めるまでこんな事するなんて馬鹿げてる。なあどう思う?」
問いかけられたドイツ女性はめんどくさくなったのか「知らない」とばっさり切って話は終わりました。
 
この微妙な空気の後、テントスタッフの方々が太鼓でモロッコ音楽を聴かせてくれました。が、モヤモヤした気分は晴れません。
 
夜、外に出ると満天の星空、の一歩手前。一応天の川は見えました。写真を撮りましたが安いデジカメでは上手く写せず、途中からは星空を見る事に専念。
 
夜ベッドに潜りながら、さっきの彼の回答を考えてみますが良い答えは見つかりません。しいて言うなら、やらずに後悔するよりやって後悔する方が良い、でしょうか。この答もしっくりきません。正直な気持ちとしては「理由とかんなことどーでもいい。やりたいからやる、ただそれだけ。」確かにバカですね。。。
 
次の日は朝6時頃に起床、というか起こされます。日が昇り始めるなかラクダに再度乗って町に戻りました。宿に戻ると全身砂だらけになっていることに気付きます。顔まで砂だらけでした。
 
今回はこの辺で。ではでは。