2018年 世界一周旅行 in スペイン その1 セビリア

ご覧いただきありがとうございます。ヒロです。
 
スペイン、セビリアにやってきました。セビリアは昔の街並みを残した美しい街で、巨大なセビリア大聖堂が有名です。ロココ調に装飾された建物が立ち並び、街頭までロココ調です。石畳みの上を路面電車と流線型に装飾が施された馬車が町を走ります。観光客を乗せた馬車がカポカポと音を立てて石畳みを歩き回るお洒落な町でした。屋外のテラス席では、観光客なのか地元民なのか昼間からビールを飲んでゆったりと過ごしています。
 

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私が昔ハマりまくった光栄の大航海時代というゲームがあるのですが、オスマントルコイスパニアといった国名と共に、セビリアという地名をよく覚えています。ゲームではイスパニア(スペイン)は強大な力を持っている国で、フランスやイギリス等と覇権を競っており、陸のシルクロードの経由地であるオスマン帝国をどうやって抑え、東に勢力拡大する事が出来るかという時代背景の中でストーリーが進んでいくのでした。そんな訳でセビリアは一度訪れてみたい場所でした。
 
今回の移動はなかなか大変でした。バス、タクシー、フェリーと乗り継ぎ、スペインに入国、最後に再びバスに乗ってセビリアへ。移動時間は15時間程かかりました。しかも旅行経路はあまり調べておらず、行き当たりバッタリ。だんだんと行動が適度になってきました。
 
まず朝五時に起床、シャウエンの宿からバスターミナルまで移動します。今回利用したのは民営のバスで、値段も安いがバス自体はボロく座席も汚れていました。6:45発でしたが、7時過ぎに出発します。途中テトゥアンの町に到着、乗客が入れ替わります。そこから走り出してすぐにバスが止まりました。どうやらタイヤトラブルが発生したらしく、何人かタイヤの周りで作業していました。三十分ほどかけて終了したのか、バスは再び走り出しましたが、明らかに振動が酷く、乗り心地が悪くなりました。修理は完全ではなかったようです。そのまま1時間程走り続けたバスは、何もない路地で停車。前には別のバスが止まっており、そちらのバスに乗り換えるように要求されました。その後しばらくして終点のタンジェという町に10時半ごろ到着。
 
この町ではスペイン行きのフェリーは二つあり、一つはタンジェ新港(tanger med)からはジブラルタルへ、もう一つはタンジェ旧港からはタリファに向かいます。ジブラルタルの方が町の規模が大きく、その後の移動が楽だろうと予想を立て、タンジェ新港を目指します。
 
バスから降りるとそこはバスターミナルになっていました。建物に入ると沢山のバス会社のカウンターがあり、一つ一つの看板を確認していくと見つかりました、タンジェ新港行きが。しかし出発時間が12:30から。あと2時間もあります。どうしようか思案していると、カウンターの中にいたおじいちゃんが手招きしています。タンジェ新港に行きたい事を伝えると、タクシーを他の人とシェアしていく方法を勧められましたが、そんな事は出来ない自分。普通にタクシー乗り場で値段を聞くと200ディルハム。これぐらいなら良いかと思い、タクシーに乗りこみました。金の力で強引に解決です。タクシーはなだらかな海沿いの道を走ります。この道は道幅も広く眺めも良いため、バイクで走ると気持ち良さそう。
 
タクシーで40分程走ると、タンジェ新港に到着しました。ネット情報では複数のフェリー会社があり、好きな時間と値段のフェリーを選べるとの事でしたが、建物内のカウンターを見ると開いている会社はわずか数社。選択の余地はなく、一番近い時間の12時発、340ディルハムのチケットを購入します。
 

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チケットを片手に歩き始めると、小ざっぱりとしたジャケットを着たおじいちゃんに声を掛けられ、こっちだと案内されます。おじいちゃんはベンチに座り、パスポートを要求し色々と質問してきます、そして出国手続きの用紙に書き込んでいきます。始めは港の関係者かと思い、付いて行きましたが無関係の人のような気がします。案の定、出国カウンター前まで来るとチップを要求されました。まあ出国用紙を代わりに書いてくれたので良しとしましょう。ポケットの中にあった小銭全てをおじいちゃんに渡します。彼は札を要求しましたが、しぶしぶといった様子でお金を受け取り去っていきます。流石モロッコといったところ。最後まで油断出来ない国です。
 
次に出国手続きカウンターで係員にパスポートを渡しますが何故か手続きに時間がかかっています。どうやらモロッコ入国時に係員がパスポートに書いた数字が下手すぎて読めず、パソコンの記録と一致しないようです。でもこれは私のせいではありません。他の旅行者が次々と手続きが終わる中、待たされますが何とか手続きは終わりました。船の待合室に行くと若い日本人夫婦がおり、少し会話を交わします。醤油煎餅を頂きました。久しぶりの日本の味に癒されます。
 

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12時になりフェリーに乗り込みます。乗船後、船内を歩くと食堂を発見。ちょうど出来立ての料理が運ばれてきました。料理はパエリア、肉の煮込み等6種類ほど。どれも美味しそうです。他の客の様子を見ていると、お皿に好きな料理を盛ってもらい、一皿いくらというシステムのようです。見ているうちにお腹も減ってきたので私も注文します。選んだのはパエリアとタラのスープ煮込み、エンドウ豆を炒めたものなど。さらに上にポテトまで載せてくれて、こんなに食べられないと思いつつ食べ始めましたが、料理はとても美味しくあっという間に完食してしまいました。こんなに美味しいと思った料理は久しぶりです。
 

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料理を食べ終わりましたがまだ出航していません。さらにしばらく船内をうろつき待ちます。13時ごろようやく出航。フェリーはゆっくりとジブラルタル海峡を抜けていきます。近くに他のフェリーなども見られます。
 

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客席でゆったりと海を眺めてうとうとした頃にスペイン、ジブラルタルに到着しました。フェリーから降り入国カウンターに向かいます。ここでは特に問題なく手続きは終了。やはりEU圏内は手続きが楽で良いです。
ここから先の航路は全く情報を仕入れていませんでした。スペインのsimも持ってないのでネット情報も使えません。情報は全て現地収集です。出国カウンターから出たところに旅行会社らしきブースがありましたが、中には誰もおらず訪ねる事も出来ません。ダメもとで乗船券カウンターのお姉さんに話を聞いてみます。セビリアにバスで行きたいのだがどこにバスターミナルがあるのか尋ねると、港を出て少し歩いたところにあると教えてくれました。Googleマップを使って詳しい場所を教えてもらいました。港の施設を出て外を歩きだすと何だか町がひっそりしていることに気付きます。そういえば今日は日曜日でした。ヨーロッパでは日曜日には店はみな閉まってしまいます。googleマップを頼りに5分ほど歩くと、バスが停まっているターミナルを無事発見しました。
 

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チケットカウンターでセビリア行きのバスを尋ねると、17:30発、セビリア20:30到着との事。当初の予定ではアルヘシラスの町で一泊し、セビリア行きのバスをゆっくり調べて移動しようと思っていました。しかし、今日中に到着できるのであればそれでも良いかと思い、バスチケットを購入しました。まだまだ明るい日の光が私にそう決断させます。
 
バスは時間通りに出発。なだらかな牧草地が続きます。途中に風力発電の風車が沢山ある地域を通ります。牧草地の風景がモロッコと似ていると始めは思いましたがやはり違いました。それはスペインの光景には岩がない事。モロッコの山村地帯も美しい事は美しいのですが、大小の岩があちこちに転がり美観を損ねているのです。後は所々に見られる散らかったゴミも。
 

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バスは八時半にセビリアに到着しました。辺りは既に夜の闇に覆われていました。バスを降り歩き出すと、歩道に植えてある街路樹の根元に沢山のオレンジの実がやたらと転がっている事に気付きます。どんだけこの国の人たちは街中でオレンジを食べ歩いているんだとその時はおもいましたが、それは誤解だという事に後日気づきます。街路樹自体がオレンジの木で、枝にたわわにオレンジが生っていたのです。
 
程なくしてホテルのネオンを発見。Hotel Alcázar という名前です。普段馴染みのないお洒落で綺麗な室内に入りカウンターに向かいます。値段を聞くとなんと一泊65ユーロ、約9000円。今回の旅行での最高宿泊費を圧倒的に更新しました。安くしてもらえないか相談しましたがやはり無理でした。宿のWi-Fiに繋いで真っ先に行ったのは、周辺のもっと安い宿を探す事でした。調べ物も終わり、遅い夕食を取ろうと外出、ホテルの並びにあった小さなレストランに入りました。メニューを見ましたが、スペイン語で書いてあるのでさっぱり分かりません。適度にメニューの一番上に書かれているものとビールを注文すると、出てきたのは薄く切られたハムが皿に盛られたもの。完全におつまみでした。
 
高かった宿を出て、次の宿TOC hostel sevillaに移動します。この宿は一泊22ユーロ程。ドミトリーなのに安くはありませんが、部屋、シャワー室、トイレも全て綺麗でした。日本のカプセルホテルのような雰囲気だと言えば伝わるでしょうか。しばらく前から喉の調子が悪かったため、ゆっくり休むためにも設備の良さそうなこの場所を選びました。
 
セビリアの次は、ポルトガルリスボンにバスで向かう事を考えていました。そこでホテルの人に尋ねると、Pra de armasというバスターミナルを教えてもらいました。宿に荷物を預けターミナルを目指し歩くとvodafoneのお店を見つけました。値段を聞くと、普段は1.5Gbyteで10ユーロだが、プロモーション中で4.5G使えるとの事だったので申し込みました。やっと自由にネットに繋げる状態になりました。
 
バスターミナルに到着し、インフォメーションカウンターで案内されたバスカウンターで、リスボン行きのチケットを購入します。バス会社はeuroline。これでようやく落ち着いて観光が出来ます。
 
まず最初に向かったのは闘牛場。リスボン闘牛場という名のそれはグアダルギヒル川の近くにあります。黄色と赤に彩られたその建物に入ると牛の頭の剥製が飾られていました。入場料を払い、中に入るとそこで待つように言われます。時間になるとガイドが現れ案内してくれました。日本語対応した音声ガイドが無料で配られたので、それを持って場内を見学します。闘牛の歴史について語るガイドを聴きながら闘牛にまつわる絵画、ブロンズ像、闘牛士の衣装を見て回ります。最後に闘牛場の広場。円形状のスタジアムは直径50m程でしょうか。周りを座席がぐるりと取り囲んでいます。この中で今も昔と変わらず牛と闘牛士の一騎打ちが行われているのでしょう。
 

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次はオロタワー、多角形のその塔も川沿いにあります。それほど高さもないその塔の中に入ると大航海時代を彷彿とさせる昔の海図、計測器、そして船の模型が飾られています。
 

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スペイン広場。公園の中心に半円形の広場があり、中心に噴水が。その周りを取り囲むような形で水路、そして美麗な建物が建っています。水路にはボート乗り場があり、中国人家族がボートで橋の下をくぐり写真を撮りまくっています。建物には非常に多くのタイル貼り付けられており、天井まで埋めつくされています。この建物は博物館として利用されています。観光客も昼下がりの中、公園でゆったりと過ごしています。
 

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そしてセビリア大聖堂。この建物はその大きさ、外見だけでも圧倒されます。外部の装飾も見事です。石造りのせいなのか、中はとてもヒンヤリしています。大聖堂の中は天井まで何十メートルあるのかわからない程の大広間。そして壁面には絵画や彫刻が施されています。それら装飾にはみな金が施されており、当時のスペインの国力が偲ばれます。作品を見ていくとイタリアの教会とは若干違ったその作風に気づきます。躍動感あるイタリアの作品とは違い、細部まで作りこまれた装飾がその特徴の一つかと思われます。微に入り細にわたるとはこの事でしょうか。あまりに細かく作りこまれたそれらは目眩がしそうです。
 

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アルカサルはスペイン宮殿跡で、壮麗な建物と綺麗に手入れされた庭がありました。やはり建物内外には多数のタイルが貼り付けられています。
 

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こんな感じでざっと観光地を回った後は、噴水の横で日向ぼっこして過ごしました。
フラメンコを見忘れていることに気付いたのはセビリアを去る直前の事でした。
 
今回はこの辺で、ではでは。